第125章

大島莉理は後輩の代わりに前へ出て説明せざるを得なかった。だが、なぜ本人が来ないのかも、なぜ長いこと休みを取っているのかも分からない。下手に作り話をして、あとで嘘が露見するほうがよほどみっともない。

だから彼女は、曖昧に濁しつつも筋だけは通して言った。

「申し訳ありません、田中社長。前任の担当者は家の事情で2日ほど休みをいただいております。それから、私も入院していた関係で、ひとまず同僚に引き継ぎました。少しお時間をください。資料を整理して、必ず完璧な回答をお持ちします」

深く頭を下げ、誠実に謝罪する。

会議室の空気がぴんと張りつめ、周囲の視線が田中辰哉へ集まった。

誰もが知っている。...

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